4−3 自治体法務合同研究会の概要


2023年6月14日、第27回(犬山大会)の案内。6月28日、第27回研究会のホームページへリンクを設定しました。7月17日、第28回研究会の日程等について載せました。11月1日第27回自治体法務合同研究会の紹介記事2024年4月10日、遅れましたが、第27回自治体法務合同研究会の紹介記事


第28回自治体法務合同研究会は、2024年7月に、開催予定です(神奈川県横浜市)。


目次
 
自治体法務合同研究会とは
 
これまでの開催経緯
 
自治体法務合同研究会の内容
 
自治体法務合同研究会の成果(又は活動記録)
 
Q&A
 リンク


自治体法務合同研究会とは

 現在、札幌地方自治法研究会と同様の自治体法務の研究を活動に据える研究会(人数的には主として自治体職員で構成)が全国各地に設立されてきている。
 その中の草分け的なグループとして、鈴木庸夫・千葉大学教授(当時)が代表の「ちば自治体法務研究会」がある。
 当時札幌地方自治法研究会の代表であった木佐茂男・北海道大学教授と、鈴木教授の個人的なつながりがもとで、年に1回、札幌(北海道グループ)と千葉で他流試合(研究会)をしようということになり、1995年8月、二つの研究会のメンバー(と全国の自治体法務・政策法務について造詣の深い自治体職員)が北海道ニセコ町に集ったのが、この合同研究会の始まりである。
 ニセコでの研究会の案内は、いわゆる自治体の政策法務に関わる全国各地の個人・グループに配信された。これによって、札幌と千葉の持ち回りという研究会という性格から、全国各地の法務グループが参集する合同研究会の場として、発展しているのが、この自治体法務合同研究会である。
 この研究会は、松下圭一氏の『自治体は変わるか』(岩波新書、1999年)でも(記述の正確性は別として)夏期合同法務研究会という名で紹介されている(106頁)。

 なお、
田中孝男「政策法務の未来を探る光に〜自治体法務合同研究会PartU」月刊地方自治職員研修2000年12月号81頁において、当合同研究会の成長経過などを紹介している。
 また、2013年時点の合同研究会の紹介として、岡田博史「政策法務のネットワークの意義と課題」ガバナンス2013年7月号23-25頁がある。
 さらに、岡田博史「自主研究の勧め」地方自治職員研修2020年3月号61-63頁にも、合同研究会のことが少し出ている(2020.2.20追記)。


これまでの開催経緯

 自治体法務合同研究会は、毎年7月、金曜日午後〜日曜日午前の2泊3日の日程で、次のとおり開催されてきた。近年は、土曜午後から日曜いっぱいの1泊2日の日程になっている(2016年は3日目にエクスカーションを設定)。
第1回 1995年 北海道ニセコ町
対2回 1996年 千葉県千葉市
第3回 1997年 新潟県新井市
第4回 1998年 神奈川県横浜市
第5回 1999年 島根県大田市
第6回 2000年 熊本県熊本市
第7回 2001年 埼玉県さいたま市
第8回 2002年 三重県津市
第9回 2003年 福井県福井市
第10回 2004年 大阪府豊中市
第11回 2005年 北海道札幌市
第12回 2006年 神奈川県横須賀市
第13回 2007年 滋賀県大津市
第14回 2008年 福岡県北九州市
第15回 2009年 兵庫県尼崎市

第16回 2010年 北海道札幌市
第17回 2011年 神奈川県厚木市

第18回 2012年 茨城県水戸市
第19回 2013年 滋賀県大津市
第20回 2014年 熊本県熊本市
第21回 2015年 三重県津市
第22回 2016年 愛知県春日井市

第23回 2017年 神奈川県横浜市
第24回 2018年 群馬県前橋市
第25回 2019年 滋賀県大津市
第26回 2022年 オンライン
・三重グループ主宰
第27回 2023年 愛知県犬山市
第28回 2024年 神奈川県横浜市(予定)

自治体法務合同研究会の内容

 自治体法務合同研究会の内容は、開催地・事務局によって多少異なるが、おおむね、次のような内容で構成されている。近年は正味2日間である(
2016年はエクスカーションが行われ3日間)。

第1日目午後 基調講演&パネルディスカッション
 地方分権における自治体法務関係のテーマを中心とした基調講演(研究者)とパネルディスカッション(パネリストは研究者や各地の研究会)が行われる。シンポジウム開催地によっては、研究会以外の公開のシンポジウム等にする場合がある。

第1日目夜 分科回、小テーマサロン
 初日夜、ウェルカムパーティーを開催し、場合によっては、懇親会前に、簡単な分科会報告・情報交換が行われることがある。

第2日目日中 研究会 
 各地のグループからの研究報告が行われる。今日、出席グループが増えたため、分科会形式を導入し、一日本12くらい、報告がなされる。各報告の具体的なテーマは区々であるが、当該報告を基にして自治体学会公募論文に応募する例が増えつつある。ここ3年間は、同学会公募論文入選作には必ず、この自治体法務合同研究会で報告したものが含まれている。

第2日目夜 懇親会

第3日目 エクスカーション
 希望者にその地域のまちづくりにとって重要な箇所などをまわるエクスカーションが行われることがある。


自治体法務合同研究会の成果
 研究会の成果は、近年は、冊子となっているが、現在のところ、市販されてはいない。ただし、『月刊地方分権』誌や『月刊地方自治職員研修』誌などにおいて、合同研究会の開催が紹介されている。

第1回〜第6回の全研究会の日程、報告(報告者・テーマ)について
木佐茂男(編)『地方分権と司法分権』(日本評論社、2001年)216頁以下


第4回自治体法務合同研究会について
『地方自治職員研修』(1998年10月号)72〜73頁
『晨』(1998年9月号)120頁
『地方自治職員研修』(1999年9月号)90〜91頁(記録集の紹介)

第5回自治体法務合同研究会について
『月刊地方分権』5号(1999年9月号)121頁
『地方自治職員研修』32巻10号(1999年10月号)86〜87頁

第6回自治体法務合同研究会について
『月刊地方分権』2000年9月号109頁
『地方自治職員研修』33巻11号(2000年11月号)71頁

第7回自治体法務合同研究会について
 『ジュリスト』という法律専門誌の論文の脚注で、この研究会での報告(志賀二郎「開発許可制度における条例制定権の範囲について」)の資料が引用されています(斎藤誠「分権時代における自治体の課題と展望(上)」『ジュリスト』2001年12月15日号27頁、脚注17)・18) 

第8回自治体法務合同研究会について
自治体学会(編)『自治のかたち(年報自治体学第16号)』(第一法規、2003年)166〜167頁

第9回自治体法務合同研究会について
自治体学会(編)『コミュニティ・ガバナンス(年報自治体学第17号)』(第一法規、2004年)180〜181頁

第10回自治体法務合同研究会について
(1)三重県政策開発研修センター『地域政策−三重から』120〜121頁
(2)政策法務ファシリテーター第4号(2004年10月20日号)(第一法規)2〜5頁<2004年10月>

第12回自治体法務合同研究会について
@基調講演・成田頼明「自治立法の変遷と展望」『自治体法務NAVI13』第一法規、2006年、2〜9頁 
Aパネルディスカッション「自治を究める!−政策法務という戦略−」『自治体法務NAVI14』第一法規、2006年、2〜18頁 

第13回自治体法務合同研究会について
(1)『地方自治職員研修』40巻9号(2007年9月号)63頁
(2)「シンポジウム 地域自治と地域再生の視点から環境問題を考える」『自治体法務ナビ』第19号、2007年、8〜19頁<2007年10月> 
(3)政策法務ファシリテーター第16号(2007年10月25日号)(第一法規)26〜27頁<2007年10月>
(4)「琵琶湖判で考える地域環境と自治体法務−地域での公共の担い手は−」『議員ナビ』第4号、2007年、2〜19頁
(8頁以降の「シンポジウム 地域自治と地域再生の視点から環境問題を考える」は上記(1)自治体法務ナビと同じものです。)

第15回自治体法務合同研究会について
(1)月刊地方自治職員研修2009年9月号57頁、Forum通信

(2)政策法務Facilitator24号(2009.10.25)24〜25頁
(3)マッセ大阪『セミナー講演録集vol.20』(おおさか市町村職員研修研究センター、2010年)76〜132頁

第16回自治体法務合同研究会について
政策法務Facilitator28号(2010.10.25)20〜21頁

第17回自治体法務合同研究会について
・北村喜宣「第17回自治体法務合同研究会厚木大会」自治実務セミナー2011年9月号63頁
・出石稔「一括法の成立を受けて問われる自治体実務@−第17回自治体法務合同研究会を題材に」ガバナンス2011年10月号104〜105頁。
・兼子仁「自治と法」&松下圭一「政策づくりとしての政策法務」自治体法務NAVI43号2〜17頁
・パネルディカッション「自治立法を極める!」自治体法務NAVI44号2〜14頁

第18回自治体法務合同研究会について
・いばらき政策・法務研究会(吉田勉)「自治体法務の自主研究会のレポート」自治体法務研究33号(2013年夏号)117-119頁。

第19回自治体法務合同研究会について
・「ガバナンス・トピックス」ガバナンス2013年9月号40〜41頁。
・「自治体法務合同研究会大津大会レポート」政策法務Facilitator40号8〜15頁。

第20回自治体法務合同研究会について
・北村喜宣「そして、ハタチの向こう側:第20回自治体法務合同研究会〈よりみち環境法185〉」自治実務セミナー53巻9号(2014年)73頁。

『地方自治職員研修』47巻10号(2014年9月号)48頁(フォーラム通信)。

第21回自治体法務合同研究会について
『地方自治職員研修』48巻10号(2015年10月号)50頁(フォーラム通信)

第22回自治体法務合同研究会について
『地方自治職員研修』49巻9号(2016年9月号)27頁(フォーラム通信)

第23回自治体法務合同研究会について
『地方自治職員研修』50巻9号(2017年9月号)28頁(フォーラム通信)(2017.8.19追記) 
・『政策法務ファシリテータ』56号特集1(憲法と政策法務)・特集2(2人のレジェンドに伺う)(2017.11.11追記)

第24回自治体法務合同研究会について
『地方自治職員研修』51巻9号(2018年9月号)34〜35頁(フォーラム通信)
(2019.1.6追記)

第26回自治体法務合同研究会について
・「研究会レポート」『政策法務Facilitator』76号(2022年10月30日発行)22〜23頁
(2022.11.9追記)

第23回自治体法務合同研究会について
政策法務ファシリテータ』80号(2023年10月25日号)2〜10頁基調講演・シンポジウム) 
・『政策法務ファシリテータ』80号(2023年10月25日号)23頁(研究会レポート)
・『自治体法務研究』2023年冬号101〜103頁
(2024.4.10追加)


Q&A
(これまでの実績を踏まえたもの。開催地・事務局の判断で、ここで述べることとは異なる取扱いをすることはある)

Q:開催地の決定はどのようにして行われるか。また、事務局体制はどうなっているのか。
A:開催地は、各地の法務研究会が協議の上決定し、持ち回りで行われている。また、事務局は、各地の研究会が主体となって任意・ボランティアで編成されている。
 この合同研究会は、手弁当で行われている。各地の法務関係研究会が、事務局になって、開催案内、プログラム編成、研究会当日宿泊先確保等を行っている(自治体学会や公的な補助を得ることもあるが、補助が前提にはなっていない。)。

Q:参加する全国の研究会にはどのようなものがあるのか
A:必ずしも「法務」に特化したものではないが、グループとして参加しているのは、北海道、東京都、かながわ県、三重県庁、広島・島根、大阪、滋賀、九州の自治体職員などを中心としたグループである(最近、あまりに多くの箇所にひろがっており、漏れがあるかもしれない)。このほか、研究者、弁護士、各地の自治体職員、ジャーナリストなどが合同研究会に参加している。地方自治・地方分権関係で高名な研究者の方も多数出席いただいているが、その氏名の公表については、ご本人の承諾を得ていないので、差し控えたい。

Q:参加者数は
A:毎年拡大しているし、公開シンポジウム等もあるので、正確な数字を把握してはいないが、百数十名の者が、少なくとも2日目の研究会に参加している。

Q:個人参加の可否
A:合同法務研究会の個人参加は拒むものではない。ただ、手弁当の事務局負担を軽減するため、たとえば、出欠のとりまとめ等について、近県内の研究会グループが担当させていただくこともある。

Q:公務参加の可否
A:合同研究会に対して、公務参加を拒むものではない。公的組織として政策法務の研究会を持つ自治体グループの中には、出張扱いで参加する者もいる。ただし、基本的には私的研究会の集まりであるため、開催地・事務局が県外の公的機関に対して案内することは、ほとんどないと考えてよく、その点で、公費参加は多くならないであろう。

Q:出席者の負担金
A:会議費・宿泊費・旅費は、出席者の自己負担である。その者が公的補助や旅費の公費負担をしているかどうかは、当合同法務研究会構成各グループの関知するところではないが、多くの者が自腹を切って、研究会に参加している。
 参加費は、事務局の裁量にゆだねられ、赤字にならないよう設定されているものと思われるが、実績では、2万円(宿泊費別)程度となっている(夜の研究会があるので宿泊が原則)。宿泊が1泊にした会議では、会費が1万円近く安くなる。これを高いと見るか安いと見るかは、研究会参加者の自治体法務研究への意欲と合同研究会における報告の内容によろう。そこいらの学会よりは面白いとの評価をいただくことがある。

Q:開催案内はどうやったら得られるのか
A:研究会は、全国各地のグループで構成されているから、その案内は、開催地の事務局・グループが開設したメーリング・リストを経て電子メール形式で行われている(一般的な郵送サービスは行われていない。)。したがって、メーリングリスト管理者にアクセスしなければ、開催案内は入手できない。ただし、開催地・事務局の判断で、他の媒体のメーリングリスト等に研究会案内が掲出される可能性はある。また、基調講演などがオープンされる場合には、ホームページが立ち上げられていることがある。
 
Q:今後の開催予定
A:立候補するグループがないときは、合同研究会を開けない。2024年は、神奈川県横浜市での開催が予定されている。


【リンク】自治体法務研究グループ(2014.10.10他のページから移設)

カムイミンタラ・アーカイブスのホームページ
 札幌地方自治法研究会の記事が79号にある。
(2017.8.6リンク先変更)

かながわ政策法務研究会のフェイスブック(2017.6.19リンク設定)

びわこ自治体法務研究会のホームページ(2021.11.10リンク設定)

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